「洗濯しても服の血液汚れが落とせない」
「血液のシミだけでなく服も漂白されてしまった」
このような悩みを抱いている方もいるのではないでしょうか。
血液のシミを放置すると落ちにくくなるため、できるだけ早く洗濯する必要があります。
しかし、すぐに洗濯しても正しい方法でないと、血液が凝固して汚れがなかなか落ちません。
血液の洗い方は家庭用と業務用で大きく異なります。
そこで本記事では、一般家庭から医療・介護施設まで対応できる血液汚れの洗濯方法や注意点、シミを落としやすい製品などを紹介します。
血液のシミを衛生的に落とす方法がわかるので、ぜひご確認ください。
衣類についた血液を洗濯せずに放置するとどうなる?
血液がついた衣類を放置すると、シミを落としにくくなります。
血液のヘモグロビンが酸素と結合して酸化し、繊維に深く浸透するためです。また、熱によって血液中のたんぱく質が凝固し、固着してしまいます。
衣類に血液がついてから時間が経つほど、洗濯してもシミを落とし切れないでしょう。そのため、血液が服に染み込む前に洗濯することが重要です。
衣類に血液のシミがついたときの洗濯方法5つ
衣類に血液のシミがついたときの洗濯方法がパターンごとにわかると、血の状態に応じた適切な処理を行えます。
洗濯方法は次の5つです。
- ついてすぐの血液汚れならば水洗いで落とす
- 血液がついて時間が経ったら中性洗剤で落とす
- 広範囲の血液汚れは酸素系漂白剤で落とす
- 頑固な血液汚れはクリーニング店に依頼する
- 業務用洗濯機による血液除去ソリューションを利用する
ついてすぐの血液汚れならば水洗いで落とす
衣類に血液がついたばかりならば、繊維に深く浸透したり凝固したりしていないため、水でサッと洗い流してシミを落とすことが可能です。
水洗いができない場合は、ティッシュやハンカチなどで血液をふいて、できるだけ取り除きましょう。
その後、濡らしたハンカチでシミをポンポンと叩いて、血液のシミを落とします。
ただし、50℃以上のお湯でハンカチを濡らすと、血液中のたんぱく質が凝固してシミが落ちにくくなります。
ぬるま湯か水で血液のシミを落とすことがポイントです。
血液がついて時間が経ったら中性洗剤で落とす
血液がついて時間が経った場合、中性洗剤をシミに浸透させ優しくもみ洗いをすることで、シミを落とせます。
中性洗剤は「台所用洗剤」や「洗濯用洗剤」を指し、水で洗えるものならば幅広く洗浄することが可能です。
使い方は次の2パターンです。
- 中性洗剤をシミに直接塗布して洗う
- 水に薄めて桶に入れ手洗いする
薄める場合は水1Lに対して2.5mlが目安ですが、製品の指示に従うようにしましょう。
ただし、強くもんだり擦ったりすると衣類を傷めてしまうため注意が必要です。また、中性洗剤を使用する場合でも、ぬるま湯か水で洗濯する必要があります。
広範囲の血液汚れは酸素系漂白剤で落とす
広範囲の血液汚れは、酸素系漂白剤を薄めた水につけ置きすることで落とせます。
やり方は次のとおりです。
- 水で血液をすすぐ
- 洗い桶に酸素系漂白剤と水をとかす
- 汚れに応じて30〜60分つける
- 洗濯機に入れて洗う
酸素系漂白剤には除菌や消臭効果があります。広範囲にわたる血(鉄)のニオイを抑えることが可能です。
ただし、長時間つけ置きしすぎたり、漂白剤を規定量より多く入れたりすると、服が色落ちする恐れがあるため注意しましょう。
頑固な血液汚れはクリーニング店に依頼する
中性洗剤や酸素系漂白剤で洗い落とせない頑固な血液のシミは、クリーニング店に依頼して取り除きましょう。
クリーニング店の血液の染み抜き費用は、衣類の種類や血の飛び散り方によって異なりますが、おおむね1,500〜10,000円ほどが目安です。
例えば、ネクタイやTシャツなどの一部に血が付着している場合は、染み抜き作業の手間が少ないので費用が安くなります。
しかし、トレンチコートやダウンジャケットなどの洗濯が難しい衣類だと、10,000円ほどかかる場合があります。
業務用洗濯機による血液除去ソリューションを利用する
病院、介護施設、食肉加工場などでは、衣類に付着する血液汚れが日常的な課題となっています。一般家庭とは比較にならない量と頻度の血液汚れに対して、従来の洗濯方法では汚れが落としきれない、においが取れないなどの問題が発生します。
この課題を解決するには、血液除去に特化した業務用洗濯システムが不可欠です。専用プログラムと洗剤システムにより、家庭用では不可能な確実な血液除去と感染対策を実現できます。
大量の洗濯物が発生する介護・医療施設・食品工場で、衣類を酸素系漂白剤につけ置きしたり、クリーニングに出したりするのは非効率です。
エレクトロラックス・プロフェッショナルでは、厚生労働省のガイドライン以上の感染対策プログラム・血液除去プログラムを実施した洗濯機を提供しています。
血液からのウイルス感染を防げますので、ぜひ介護・医療施設・食品工場の担当者は以下の製品情報より詳細をご覧ください。
血液のシミがついた衣類を洗濯するときの注意点
血液のシミがついた衣類の洗濯時には、次の3つに注意しないと破損や汚れが取り除けない可能性があります。
- 洗濯表示を確認する
- お湯を使わない
- 乾燥機を使用しない
衣類を長くきれいに着るために必ずチェックしましょう。
洗濯表示を確認する
血液汚れのある衣類を洗うときに洗濯表示を確認しないと、破損につながる恐れがあります。
以下は洗濯表示です。

たとえば、洗濯表示で「漂白NG」と表記されている衣類に、酸素系漂白剤でつけ置き洗いすると、色落ちにつながります。
また、衣類に洗濯表示「低温60℃まで」の表記があるなら、血液汚れを水で落としたあとに、乾燥機にかけるのは不適切です。
衣類の破損を防ぐために、洗濯表示を事前に確認する必要があります。
お湯を使わない
血液汚れがついた衣類を洗う際には、50℃以上のお湯を使わないことがポイントです。
熱湯で衣類を洗うと、血液中のたんぱく質が固まってしまい、汚れが落ちにくくなります。
衣類に血液のシミが残ってしまい、酸素系漂白剤やクリーニングでの洗濯を行う手間がかかるかもしれません。
体温と同程度の温度ならば凝固しないため、30℃以下のぬるま湯か水で洗濯を心がけましょう。
乾燥機を使用しない
衣類に血液のシミがわずかでも残っている場合、乾燥機で乾かすのを避ける必要があります。
高温で乾かすと血液中のたんぱく質が凝固するためです。その後、洗濯をしても血液のシミが取れない可能性があります。
天日干しや陰干しで衣類を乾かすことがポイントです。どうしても乾燥機を使用したい場合は、血液汚れがないことを確認してからにしましょう。
血液のシミを洗濯できるおすすめの製品
血液のシミを洗い落とせるおすすめの製品を4種類紹介します。
- ワイドハイター
- 重曹
- オキシクリーン
- コンタクトレンズの洗浄保存液
市販されている製品のため、ぜひ試してみてください。
ワイドハイター
ワイドハイターは酸素系漂白剤のため、シミに適量垂らしたりつけ置き洗いしたりして、血液汚れを落とすことが可能です。
シミの落とし方は次のとおりです。
- 桶にワイドハイターを薄めた水を入れる
- 30〜60分つけておく
- 洗濯機にかける
水とワイドハイターの割合は製品の指示に従う必要があります。たとえば「ワイドハイター EXパワー」ならば、水1Lに対して原液10mlが目安です。
種類 | 水との割合 |
---|---|
ワイドハイター EXパワー | 水1Lに原液10ml |
ワイドハイター PRO 抗菌リキッド | 水1Lに原液10ml |
ワイドハイター PRO 粉末 | 水1Lに原液5g |
※2025年6月時点
なお、酸素系漂白剤につけ置きしすぎると、色落ちする恐れがあるため注意が必要です。
重曹
重曹でも血液のシミを取り除けます。
重曹はアルカリ性のため、血液のたんぱく質と中和反応を起こしてシミを浮き上がらせます。
重曹でのシミの落とし方は以下の流れです。
- 重曹と水を2対1の割合で混ぜ合わせる
- 血液のシミに垂らして馴染ませる
- 20〜30分放置する
- 濡れタオルで重曹を取り除く
その後、シミが落ちているならば洗濯機にかけると、衣類がきれいに仕上がります。
オキシクリーン
オキシクリーンには漂白剤の原料となる過酸化水素が含まれているため、血液のシミを落とすのに効果的です。
オキシクリーンでの血液汚れの落とし方を、以下にまとめました。
- 桶にぬるま湯または水を入れる
- 水4Lに対してオキシクリーンをキャップ1杯ほど混ぜる
- 衣類を20〜30分ほどつける
- 流水ですすいだあと洗濯をする
オキシクリーンを多く入れすぎたり、長時間つけ置きしすぎたりすると、衣類の脱色につながるため注意が必要です。
コンタクトレンズの洗浄保存液
コンタクトレンズの洗浄保存液には、たんぱく質分解酵素が含まれています。そのため、血液に含まれるたんぱく質を分解し、シミを落とすことが可能です。
洗浄保存液を使った洗浄方法は次のとおりです。
- 洗浄保存液をシミに垂らす
- シミが消えるまで放置する
- 汚れが落ちたら洗濯機にかける
コンタクトを使用している場合は、普段使っている洗浄保存液を使う方法もおすすめです。
大量の血液汚れで洗濯しても落ちない場合
医療・介護・食品加工現場での血液汚れ問題
病院、介護施設、食肉加工場などでは、衣類に付着する血液汚れが日常的な課題となっています。一般家庭とは比較にならない量と頻度の血液汚れに対して、従来の洗濯方法では以下のような問題が発生します。
主な課題:
- 完全除去の困難性:大量の血液汚れは家庭用洗濯機では落としきれない
- 感染リスク:血液を介したウイルス・細菌感染の危険性
- コスト負担:外注クリーニングによる高額な費用
- 衛生基準への対応:HACCP等の厳格な衛生管理要求
家庭用洗濯の限界
通常の家庭用洗濯機や市販洗剤では、業務現場の血液汚れに対して以下の限界があります。
- 温度管理不足:血液のタンパク質を確実に分解する精密な温度制御ができない
- 洗剤投入タイミング:汚れの種類に応じた最適なタイミングでの洗剤投入が不可能
- 処理能力:大量の洗濯物を効率的に処理できない
衛生基準:厚生労働省やHACCPが求める除菌率99.9%を保証できない
業務用血液除去ソリューションの必要性
これらの課題を解決するには、血液除去に特化した業務用洗濯システムが不可欠です。専用プログラムと洗剤システムにより、家庭用では不可能な確実な血液除去と感染対策を実現できます。
業務用洗濯機による血液除去洗濯ソリューション
HACCP認証済み血液除去システム
Features|特徴
最適化ドラムアクション
血液汚れを確実に落とすため、洗濯機のドラムの動きや回転スピードを最適化。従来比40%向上した洗浄力により、繊維の奥深くに入り込んだ血液も強力に押し出します。
精密温度制御システム
血液のタンパク質を段階的に分解する温度管理システムを搭載。30℃から60℃まで最適なタイミングで昇温し、時間が経過した頑固な血液汚れも確実に分解します。
血液特化洗剤システム
中性洗剤、アルカリ洗剤、酵素剤、漂白剤を最適なタイミングで自動投入。血液のタンパク質構造を科学的に分析した専用洗剤により、新品の白さを取り戻します。
Download
食品工場向け血液除去リーフレットDiscover
食品加工汚れ専用洗濯ソリューション導入による効果
血液除去ソリューションの導入により、HACCP認証済みシステムによる99.9%の除菌率を実現し、ウイルスや細菌を確実に除去できます。また自社内ランドリーの活用により外注費を大幅削減でき、最大70%のコスト削減が可能です。設備投資についても2-3年で回収でき、長期的な経済効果も期待できます。さらに専用洗剤により血液汚れを完全除去し、新品同様の白さを復元することができます。
衣類の血液汚れの落とし方に関するよくある質問
衣類の血液汚れの落とし方に関するよくある質問は、次の4つです。
時間が経った生理の血の落とし方は、酸素系漂白剤につけ置きすることです。 やり方は次のとおりです。 血液を水ですすぐ 洗い桶に酸素系漂白剤と水をとかす 汚れに応じて30〜60分つけ置く 洗濯機に入れて洗う 酸素系漂白剤としてはワイドハイターがあります。酸素系漂白剤を水に薄める場合は、製品の指示に従う必要があります。 「ワイドハイター EXパワー」ならば、水1Lに対して原液10mlが目安です。
セスキ炭酸ソーダで血液のシミを落とすことは可能です。 セスキ炭酸ソーダはアルカリ性の物質のため、血液中のたんぱく質汚れを分解できます。 以下の2パターンで血液汚れを落とします。 スプレータイプ:シミに直接吹きかけてもみ洗う 粉末タイプ:水300mlに対して小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダを入れてつけ置く つけ置きの場合は、衣類を60分ほどつけるのが一般的です。シミがなくなったら洗濯機に入れて、いつもどおり洗いましょう。
キッチンハイターで血液汚れは取れますが、洗浄力が強すぎるため向いていません。 キッチンハイターは塩素系漂白剤で、主に白物衣類のシミ取りやキッチン周りの洗浄に用いられます。 洗浄力が強いため色つきの服を洗濯すると、脱色してしまう恐れがあります。 そのため、衣類の血液のシミを取り除く場合は、オキシクリーンや重曹、コンタクトレンズの洗浄保存液を使用するのがおすすめです。
古い血液のシミは酸素系漂白剤につけ置きして洗濯することで落とせます。 酸素系漂白剤としてはワイドハイターがあります。 シミを取る方法は次のとおりです。 血液を水ですすぐ 洗い桶に酸素系漂白剤と水をとかす 30〜60分つけ置き洗いする 洗濯機にかける 血液汚れが頑固で取れない場合は、クリーニングに出しましょう。 1,500〜10,000円ほど費用がかかりますが、つけ置きが難しいトレンチコートやダウンジャケットなどの血液汚れを落としきることが可能です。
まとめ
本記事では血液がついた衣類の洗浄方法や注意点、市販されているおすすめ製品などを解説しました。
衣類に血液のシミがついた場合、以下の4パターンで洗浄することが可能です。
- ついてすぐの血液汚れ:水洗いで落とす
- 時間が経った血液汚れ:中性洗剤で落とす
- 広範囲の血液汚れ:酸素系漂白剤で落とす
- 頑固な血液汚れ:クリーニング店に依頼する
ただし、介護・医療・食品工場で血液汚れを取り除く場合、上記の手法だと大量の洗濯物をすべて捌き切れない恐れがあります。
洗濯の手間を省きながら衛生的に洗浄するには、血液を除去できる専用の洗濯機にかけることがポイントです。
血液除去が可能な洗濯機を使用すると、衣類を入れてボタンを押すだけで洗濯できるため、従業員の負担が大幅に減ります。
エレクトロラックス・プロフェッショナルでは、血液を除去できる洗濯機を提供しています。
血液がついた衣類の洗濯でお悩みの方は、ぜひご相談ください。