「嘔吐物や尿がついた服の洗濯方法は?」
「感染対策の具体的なやり方は?」
このような悩みを抱いている方も多いのではないでしょうか。
嘔吐物や尿がついた服をそのまま洗濯機にかけると、ウイルスが広がる恐れがあるため、正しい洗い方を知っておく必要があります。
そこで本記事では、嘔吐物や尿がついた服を洗う際に準備するものや洗濯方法、注意点などを紹介します。
本記事を読むと、汚物がついた服を安全に洗えるようになるでしょう。
嘔吐物や尿がついた服の取り扱い方に悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
嘔吐物や尿がついた服は洗濯できない?
嘔吐物や尿がついた服は、洗濯ができない・難しいと思われがちです。
しかし、洗濯すると汚物のニオイやシミを取り除き、汚れる前の状態に戻すことが可能です。
ただ、正しく処理しないと他の洗濯物にウイルスがうつったり、洗濯機にニオイがついたりします。
そのため、嘔吐物や尿がついた服を洗う際には、洗濯機にかける前に汚物を取り除く必要があります。
嘔吐物や尿がついた服を洗濯する際に準備するもの
嘔吐物や尿がついた服を洗濯する際に準備するものは、主に次のとおりです。
- ペーパータオル
- ビニール袋
- 使い捨てマスク
- 使い捨て手袋2セット
- 使い捨てのガウンやエプロン
- 酸素系漂白剤
- バケツ(桶)
酸素系漂白剤には、ワイドハイターやオキシクリーンなどが挙げられます。バケツに水と酸素系漂白剤を入れて、つけ置き洗いするために使用します。
バケツは「洗濯物が入るサイズ」であれば問題ありません。ウイルスの感染を防ぎながら、汚物を取り除くために必ずすべて用意しましょう。
嘔吐物や尿がついた服を洗濯する方法
嘔吐物や尿がついた服を洗濯する方法がわかると、衛生的にシミを落とせるようになります。
その方法は主に次の6ステップで行います。
- 固形物を取り除く
- ぬるま湯か水で手洗いする
- つけ置きする
- 洗濯機にかける
- 乾燥させる
- 除菌消臭スプレーをかける
1. 固形物を取り除く
嘔吐物や尿、下痢などの汚物がついた服を洗濯する場合、まずは固形物を取り除く必要があります。
固形物が残ったまま洗濯すると、洗濯機の故障につながるためです。
取り除き方の手順は次のとおりです。
- 使い捨ての手袋とマスク、ガウンを着用する
- 固形物をペーパータオルで取り除きビニール袋に入れる
- 残ったシミにペーパータオルをかぶせる
- 50〜100倍に薄めた酸素系漂白剤をペーパータオルの上に注ぐ
- 汚染場所を広げないようにペーパータオルでよく拭きとる
- 使い捨ての手袋とマスクを処理する
ウイルスは乾燥すると空気中に漂うため、できるだけ早く処理するようにします。
また、固形物を取り除く際には、自分が着ている服に汚れが飛び散らないようにすることが大切です。
2. ぬるま湯か水で手洗いする
新しい使い捨て手袋につけ替えて、服をぬるま湯か水で手洗いすると、細かな汚れを取り除くことが可能です。
洗い方は次の2パターンです。
- お風呂や洗面所で水道水で洗い流す
- バケツに水を入れて振り洗いする
このとき、強くもんだり擦ったりすると、繊維が傷つく恐れがあるため注意しましょう。
また、50℃以上の熱湯で手洗いすると、嘔吐物や尿に含まれるたんぱく質が凝固し、シミが落ちづらくなります。
火傷にもつながるため、30℃以下のぬるま湯か水で洗う必要があります。
3. つけ置きする
手洗いの完了後につけ置きをして、ニオイや汚れ、雑菌などを除去します。
その手順は次のとおりです。
- バケツにぬるま湯か水を入れる
- バケツに酸性系漂白洗剤を入れて混ぜる
- 洗濯物をバケツに入れて30〜60分ほど放置する
水と酸素系漂白剤の割合は、製品の指示に従いましょう。たとえば「ワイドハイター PRO 抗菌リキッド」の場合、水1Lに原液10mlが目安です。
なお、酸素系漂白剤でシミが落ちないならば、塩素系漂白剤の使用もおすすめです。ただし、漂白力が強いため色落ちの可能性を考慮する必要があります。
4. 洗濯機にかける
つけ置き洗いが終わったら、服を洗濯機にかけましょう。
洗濯機にかけると嘔吐物や尿で汚れたシミだけでなく、服全体をきれいにできます。
つけ置き後は汚れやニオイ、菌が除去されているため、洗濯機で洗ってもウイルスがうつりません。そのため、他の服と一緒に洗うことが可能です。
ただし、洗濯物を洗濯槽に詰め込みすぎると、水流や洗剤を行き渡らせられず、しっかり洗浄できないでしょう。
洗濯機の規定量を守って洗うことが重要です。
5. 乾燥させる
洗濯機にかけたあとは、乾燥機や天日干し、陰干しで服を乾かします。
乾燥機か天日干しで服を乾かす場合、嘔吐物や尿によるシミが完全に消えているかを確認する必要があります。
汚物に含まれるたんぱく質は、熱によって凝固するためです。シミが残っている場合、取り除きづらくなります。
陰干しをする場合は、生乾き臭が残る可能性があるため注意しましょう。
なお、ほとんどのケースで汚れは取り除かれているため、基本的には乾燥機にかけても問題ありません。
6. 除菌消臭スプレーをかける
乾燥後、嘔吐物や尿がついた部分に除菌消臭スプレーを吹きかけると、不快に感じずに服を着続けられます。
除菌消臭スプレーは好みの香りを選ぶとよいでしょう。たとえば、花王の「リセッシュ除菌EX」は、下記のような香りの除菌消臭スプレーを販売しています。(2025年6月時点)
- 無香料
- 爽やかなそよ風の香り
- グリーンハーブの香り
- ピュアソープの香り
- ガーデンローズの香り
自分の好みに合わせて吹きかけてみてください。
嘔吐物や尿がついた服を洗濯する際の注意点
嘔吐物や尿がついた服を洗濯するときの注意点がわかると、ウイルスによる感染を防ぐことにつながります。
注意点は次の4つです。
- 洗濯時には使い捨て手袋とマスクをつける
- 洗濯後は手洗いと消毒を行う
- 洗濯に使用したものは廃棄する
- 嘔吐物や尿がついた洗濯物を正しく処理する
洗濯時には使い捨て手袋とマスクをつける
洗濯時に使い捨て手袋とマスクをつけると、感染症にかかるのを予防できます。
嘔吐物や尿には、胃腸炎の病原菌が付着している可能性があります。手袋なしで触ってしまうと、感染して周囲にウイルスをうつすかもしれません。
また、ウイルスは乾燥すると空気中に漂うため、マスクの着用も必須です。感染性胃腸炎にかかると、嘔吐や下痢、発熱などの症状が出るため注意しましょう。
洗濯後は手洗いと消毒を行う
嘔吐物や尿がついた服の洗濯後は、手洗いと消毒を行うことが大切です。
手についた汚物は感染症や不快感の原因になります。嘔吐物や尿を処理したあとは、石鹸やアルコールを使って入念に手洗いと消毒を行う必要があります。
一見きれいに見えても、空気中に漂った目に見えないウイルスが付着しているかもしれないため、しっかりと洗いましょう。
洗濯に使用したものは廃棄する
服の洗濯後は使用したマスクや手袋、ペーパータオル、エプロンなどを廃棄する必要があります。
ウイルスが付着している恐れがあるため、処分しないと感染症を広げてしまうためです。使用したものはゴミ袋に入れて廃棄します。
そしてゴミ袋の袋を閉じることで、ニオイ漏れやウイルスの感染を予防できます。また、ゴミ袋を2つ重ねると、廃棄物が漏れるのを防ぐことが可能です。
嘔吐物や尿がついた洗濯物を正しく処理する
嘔吐物や尿がついた洗濯物を正しく処理すると、ウイルス感染を予防できます。
主な処理の仕方は次の2パターンです。
- 熱湯による消毒
- 塩素剤による消毒
汚物のシミを落としたあとに、80℃以上の熱湯で10分以上洗濯すると、ウイルスを除去できます。家庭用洗濯機だと温度が最大60℃のため、業務用洗濯機を使用するのが望ましいでしょう。
また、キッチンハイターのような塩素系漂白剤は、酸素系漂白剤より除菌効果があるとされているため、塩素剤で消毒するのも効果的です。ただし、漂白力が強いため色落ちに注意が必要です。
エレクトロラックス・プロフェッショナルの業務用洗濯機「汚物ミニ」は、手洗いと色落ちなしでウイルスを死滅させられます。
洗濯の手間をかけずに簡単な操作で衛生的な処理を行いたい場合は、ぜひご検討ください。
嘔吐物や尿がついた服の洗濯におすすめの洗剤
嘔吐物や尿がついた服を洗濯する際には、適切な洗剤を使用することが重要になります。
おすすめの洗剤は「ワイドハイター」と「オキシクリーン」です。
順番に解説していきます。
ワイドハイター
ワイドハイターは「花王株式会社」が販売する酸素系漂白剤です。シミに適量垂らしたり、つけ置き洗いしたりすると、嘔吐物や尿の汚れを落とせます。
さまざまな種類のワイドハイターが販売されていますが、嘔吐物や尿の処理に使いやすいのは、主に次の3つです。
種類 | 特徴 |
ワイドハイター EXパワー | 洗剤で落とせない汚れとニオイを落とせる万能タイプ |
ワイドハイター PRO 抗菌リキッド | 菌の増殖を防ぐことに特化したタイプ |
ワイドハイター PRO 粉末 | 洗剤では落とし切れない頑固な汚れに強いタイプ |
※2025年6月時点
除菌・抗菌を意識するなら「ワイドハイター PRO 抗菌リキッド」、頑固なシミならば「ワイドハイター PRO 粉末」がおすすめです。
オキシクリーン
オキシクリーンは「株式会社グラフィコ」が販売する無香料の酸素系漂白剤です。
除菌や消臭効果があるため、つけ置き洗いすることで嘔吐物や尿の汚れを取り除けます。
つけ置きにおすすめのオキシクリーンの種類は次の3つです。
種類 | 特徴 |
オキシクリーン | 漂白と消臭、除菌ができる万能タイプ |
オキシクリーン EX | 頑固な汚れを落とせる洗浄力に特化したタイプ |
オキシクリーン ホワイトリバイブ | 白物衣類を漂白するのに特化したタイプ |
※2025年6月時点
嘔吐物や尿などのシミを落とす場合は、洗浄力が強い「オキシクリーン EX」が向いています。
嘔吐物や尿がついた服の洗濯に関するよくある質問
嘔吐物や尿がついた服の洗濯に関する、以下のよくある質問に回答します。
- 胃腸炎は洗濯物でうつりますか?
- 吐いた服は他の服と一緒に洗ってもいいですか?
- 嘔吐物がついたまま洗濯機にかけたときの消毒方法はありますか?
胃腸炎は洗濯物でうつりますか?
細菌性胃腸炎やノロウイルスは、嘔吐物や尿で汚れた衣類からうつる可能性があります。
適切な処理をしないと、他の洗濯物や洗濯槽にウイルスが付着するためです。
胃腸炎に感染すると、嘔吐や下痢、発熱などの症状が出ます。以下の対策をして感染を予防しましょう。
- 固形物の除去
- 酸素系漂白剤でのつけ置き
- 80℃以上の熱湯での洗濯
熱湯で洗う場合は、シミが凝固することを防ぐために、汚れがないか確認する必要があります。
吐いた服は他の服と一緒に洗ってもいいですか?
嘔吐した服は他の服と一緒に洗えます。
ただし、固形物を取り除いたあとに酸素系漂白剤につけ置きして、汚れやニオイ、菌を除去することが条件です。
汚れを除去せずに洗濯した場合、菌が他の服にうつり、感染を広げることになります。胃腸炎につながるリスクがあるため注意が必要です。
嘔吐物がついたまま洗濯機にかけたときの消毒方法はありますか?
嘔吐物がついたまま服を洗濯機にかけた場合、水で希釈した塩素系漂白剤を洗濯槽に満たしてつけ置きすることで消毒します。
塩素系漂白剤は酸素系漂白剤よりも除菌効果があります。洗濯槽の除菌ならば色落ちしないため、塩素系漂白剤で問題ありません。
市販の塩素系漂白剤でおすすめの商品は、キッチンハイターです。水1Lに対して原液10ml(キャップ約0.4杯分)を混ぜると、希釈水を作れます。
まとめ
本記事では嘔吐物や尿がついた服の洗濯方法や注意点、おすすめの洗剤などをまとめました。
洗濯時のポイントはウイルスの感染を防ぐことです。服を80℃以上の熱湯で洗ったり、塩素系漂白剤で除菌したりして感染を防ぎましょう。
しかし、家庭用洗濯機は80℃の熱湯で洗えず、塩素系漂白剤は色落ちのリスクがあります。
そこでおすすめなのが手洗い不要で、高い洗浄力とウイルス除菌を実現した汚物ミニです。
色柄物にも対応しているため、介護や医療シーンで白物衣類以外を洗浄するときにも使うことが可能です。
ぜひこの機会にエレクトロラックス・プロフェッショナルの汚物ミニで、汚れた衣類を洗濯する手間を省いていきましょう。